2017年12月7日木曜日

思いどおりになるのか、思いどおりにするのか。



お正月みたいですが、今年の秋に活けたもので、
花材は雲竜柳、菊(マム)、孔雀草、アスパラガス、うめもどき、ヤシの葉。
水盤には剣山と花止めを置き、植物の角度をつくっています。

先日、Youtubeを見ていたら、
20センチほどの深さの花器に
オアシス(スポンジのようなもので花の角度を支える)を仕込んで活けている方がいて、びっくりしました。

いけばなは、活け手が意図する長さと角度で活けられれば最高ですが、
思うようにならない時もあるのが、おもしろさの1つ。
「この手はダメか……こちらではどうだ!?」と
自問自答しながらの作業。息を詰めて狙いを定めていくのです。


だから、なんでも思いどおりになってしまったら、逆につまらないかなぁ。

2017年11月13日月曜日

アンティークのカップと雑誌



師匠の作品がまた、雑誌に掲載されました。
今回のタイトルは「実もの」。
野いばら、栗、ぶどう、蓮の実、ユーカリの実を
赤絵の蓋つきの器に活けて。

このページと、
入れていただいたコーヒーのアンティークカップが、
またなんとも非日常を演出してくれたのでした。

2017年11月7日火曜日

秋は絵になる



活ける前の、ななかまど、野いばら、蔓梅もどき。
とくにこの日のななかまどは、赤一色で本当にきれい。

枝ものって、在るだけで絵になる。

2017年10月24日火曜日

「線」が魅力の花材たち



この日は本当に難しかった……。
紅葉したハゼ、実付き野いばらの枝、つる梅もどき、ストレチリア。
直線、または曲線が眼を引く背丈のある花材。

師匠から「早活け名人(笑)」と呼ばれる私も、
30分以上の時間を費やしてしまいました。

最初から、デザインの完成形が頭にあるわけではないんです。
まず1本枝を立てて。
そこから次を考えていくうち「ピン!」と閃く。
あとはそのイメージどおりに、花材を配置するだけ。

できあがったときは快感、病みつきになります。


2017年8月30日水曜日

師匠



私の師匠である刈米義雄氏。
いまは『パンプキン』という雑誌に
「花の歳時記」というタイトルで連載しています。
器はほぼ、師匠の持ちもの。
撮影はご自宅や出身大学である上智のキャンパス内にある教会、
はてはご友人の別荘まで、
「ここでこんなふうに活けたら素敵!」と思うところならどんな場所でも。

レッスンを終えると、
奥さまが出してくださったお茶を飲みながら、
掲載誌をながめるのです。

「ああ……まだ足りないなぁ」とため息をつく瞬間。

2017年7月20日木曜日

初夏から盛夏へ



エレムルス、やし、へレコ二ア、ナデシコ、芍薬。
初夏から盛夏に向かう時期の花材を、
かごいっぱいに活けました。

かごという花器もまた、季節を感じさせますね。

2017年6月16日金曜日

女優……だね。

ダリア、マム、ドラセナ。

大輪のダリアはゴージャスですね。
目立つ花のに、他と交えても孤立しないところが
実力派女優を彷彿させます。

以前、女優をしている友人の舞台に行き、
真っ赤な大輪ダリアと、
グリーンのドラセナだけを組み合わせた花束を楽屋見舞に。
たくさんのお花を受け取っているだろうけど、
シンプルで、逆に印象に残ったそうです。    



























2017年6月2日金曜日

イベント主催者からの依頼



とあるイベントでお花を活けるお仕事をいただきました。
どうだん、つつじ、サクラ2種類、芍薬、菖蒲……。
このくらいの大きさになると、体力勝負です。

花器にしているのは、じつは信楽焼の金魚鉢。
直径7,80センチの大きな器に、
作品をより大きく見せるため、青竹も使います。

これよりは小さくなりますが、
7月に広間で活ける機会をいただきました。
花材を何にしようか、いまからワクワクしています。

2017年5月23日火曜日

補色づかいで大胆に



アンセリウム、モンステラ、グロリオサ、かえで。
影絵のように見えるのは、どうだん。
どれもが個性的な植物、
茎や枝が細く長いので、ごまかしが効きにくい。

赤×緑という補色は
クリスマスカラーと言われるけれど、
日射しが日ごとに強くなる初夏においては、勢いを感じます。

2017年5月22日月曜日

葉陰から覗く美人



画像からは判断しにくいと思いますが、
ピンクの濃淡の芍薬、違いは色だけではありません。
濃い色は日本の在来種に近くて、薄い色は西洋のもの。
葉をみると、違いがわかります。

美人の代名詞にもたとえられる花だけに、
あまりに目立ち過ぎると嫌味になりそうで。

初夏の、葉が茂り始める様子を再現するように、
鬱蒼とした緑のなかに置いてみました。

2017年5月12日金曜日

蘭・蘭・蘭



オーバル型のガラスの器に黒い石を沈めて、
隙間に茎や枝を指していく。
このような活け方をするときは、
茎の方向をそろえたり、できるだけ目に触れないよう
水のなかも意識します。

花材はすべて蘭。
ピンクの濃淡が可愛い!
今度、誰かに花束をお渡しするときは
蘭だけでつくってみようかしら。

2017年5月10日水曜日

浦島草の怪しさ



何とも怪しげな植物は、浦島草。
ひものような部分が、浦島太郎の釣り糸に見えたことから、
名づけられました。
花は紫色した仏炎苞(ぶつえんほう)、
雄花から雌花に性転換するそうです。

花とともに放射状に広がる葉も素敵。
私が好きな花材のひとつです。


紙袋に活ける



イベントにうかがったら、
お祝いの花スタンドや花かごがたくさん出ていました。
いまは花を引き取りにきてくださる業者もあるそうですが、
たいていは廃棄処分になります。

もったいないので……と、
紙袋にありったけ詰めて帰ることに。
でも口まで閉めてしまったら、花が窮屈。
この状態で電車に乗りました。

カトレア、蘭、グロリオサ……、
どれもこれも貫禄のある花ばかり。
まるで紙袋に活けるかのような気持ちでした。

はさみ今昔



はさみは、いけばなに欠かせないお道具。
昔は写真下のような
鉄製でパッチン、パッチンいうはさみを使っていたけれど
枝ものを切るには、上のようなはさみが便利です。

玄関先は常設スペース



玄関先は、私が花を活ける常設スペース。

お客様をお迎えするのはもちろん、
私が外出するときや帰宅時に目をやると、ほっとできるから。

コデマリの扇のような広がりと
とグロリオサのすっと立っている感じが好きです。


際どい姿勢が惹きつける



魚のカタチをしたコーラル色のガラス。
もともとは壁や柱にひっかけて使う花器のようです。

私はどうしても横向きに置きたくて。
魚のなかにミリオンをもじゃもじゃ入れて、
その葉に鉄線の茎が引っかかるように活けてみました。

際どい姿勢、イメージしたとおり。
好きな作品のひとつです。


蔓梅もどきのリース



蔓梅もどき。
乾燥してきたので、リースにして
トイレの鏡にひっかけてみたら……
思った以上に素敵な空間になりました。

昔の人の粋



蟹に亀、粋でしょう。
これ、みんな枝や花の角度を固定する花留め。

剣山はわりと知られていますが、
亀や蟹など、生き物を模した
「花留め」というるものもあるのです。
かわいい。

いまはもう、
このようなお道具をつくる職人さんはいないそうで残念。
だから私は、骨董市をチェックします。

ここ数年は、多くの外国人が骨董市を訪れ、
こういうものを購入していくため、価格が高騰。
とくに蟹は人気で、飲食店のディスプレイにするのだそうです。


植物の陰から岩や蟹や亀が覗く、箱庭のような自然の再現。
昔の人の自然との共生が感じられます。

2017年5月9日火曜日

グリーン × グリーン!



切子のグラス。
初夏の雰囲気を出したくて、
透明な日本のガラスの平皿を添える。

オリーブの実と葉は、
なかなか思うようなカタチになってくれないけれど、
多少の雑さがあっても雰囲気は出ます。

切子のグラスとグロリオサ


自宅で日本酒をいただくときに、
よく使う切子のグラスと白磁の小皿。
短く摘んだグロリオサを、ちょこっとあしらったら
こんなにかわいい作品になりました。

このような浅い器に活けるときは、
なかにも花や葉を潜らせて、
茎がグラスの底に直接当たらないようにします。

てのひらに載るくらいの、小さい世界。